街道沿いの町人まちでは、家々の庇を伸ばした雁木通りが目を引く。
雁木は大雪から守るだけではなく、雨風や強い陽射しも防いでくれる。
越後高田の雁木通りは16kmほどに及び、
趣きのある町家にうまくとけこんで江戸情緒を醸し出している。
町家は道路に面して並んでいて、トオリニワと呼ばれる細長い土間が、
表の雁木から裏の畑まで貫通している。
トオリニワに沿ってミヤ、チャノマ、ザシキなどが並んでいて、
途中に吹き抜けがあるなど、まるで芝居小屋のような空間である。
また、雁木について言えばホームページに次のような一文があった。
「雁木とアーケードは違います。雁木は個々の家人が私有地を市民に
提供しているものです。思いやりがこもっております。
雁木と歩道は違います。雁木は家と道路のあいだの緩衝(クッション)の
役目を持っています。歩道は通行の手段ですが、
雁木はさまざまなコミュニケーションの場です。」
思いやりのこもる雁木の下でさまざまな親睦が生まれ育っていく、
「つながってこそ雁木」なのである。
雁木をつくった先人たちへの感謝を忘れず、今に活かそうとする
土地の人々の思いが伝わってくる。
越後高田では平成18年に雁木ねっとわーくが結成され、
50人余の会員が雁木の保存と活用を全市民の運動に拡大し、
上越市への施策提言を行うために様々な活動を行っている。
雁木についての学習会やシンポジウムを開くなどの啓発活動、
マップの作成やガイドの養成などの観光活性化活動、
高田地区を拠点とするまちづくり団体との提携や情報交換など。
こうした雁木のあるまちは、新潟県内では越後高田のほかには
新潟市、長岡市、糸魚川市にあるだけで、
県外では青森県の黒石市だけだという。
雪国の暮らしを守り続け、助け合い・譲り合いの心をつないで、
雁木は今に至っている。
https://sites.google.com/site/takadagangi/home
雁木ねっとわーく
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