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2014年12月6日土曜日

まちは、人がつくる。

工場の煙突から出る黒煙が洗濯物を汚し、窓も開けられない。

今から70年ほど前、工業力をメインにした戦後復興の陰には
こうした苦悩や苦痛に身を置かざるを得ない現実があった。


山口県宇部市はばいじん汚染がひどく、
1949年に反ばいじんの動議が議会に出され、満場一致で可決。

さっそく汚染の実体、そして市民の健康についても調査が始まった。
1951年の調査結果では、ひと月に降るばいじんの量は1平方キロあたり
55,86トンで、世界一灰が降るまちと報じられた。


その5年後に宇部興産㈱の副社長中安閑一氏がばいじん対策を提言し、
社内では”ダスト イズ マネー”の合言葉のもと
ばいじんのリサイクルを行い「宇部ホゾランセメント」を開発した。

このセメントは凝結力や耐水性が高く、ダムや海底工事に使われ、
10年で15億円を稼ぐヒット商品となった。

この利益はばいえんを集める集じん装置設置の資金にまわされた。


黒煙を吐き出す工場には電気集じん装置や遠心力集じん装置が付けられ
1961年の調査では16トンと3分の1以下に減った。

見上げれば青空がひろがり、地上には植樹された緑が輝いていた。

石炭から石油へ燃料が変わった際には、亜硫酸ガスの対策に取組み、
まちを花で埋めようと美化活動がさらに徹底されていく。

こうした一連の活動は「宇部方式」と呼ばれ、国際的な評価も高く、
環境の保護・改善に功績のあった個人または団体を表彰する
国連環境計画のグローバル500賞を受賞した。


公害対策と美化運動を進めていく中、
1958年に宇部駅前に『ゆあみする女』という彫刻作品が登場した。

この一体の像に、まちを美しくと願った市民一人ひとりの思いが重なり、
2年に1度の野外彫刻展「UBEビエンナーレ」が開催されることになる。

同展は25回、50年の長きにわたって続けられていて、
宇部市の精神的支柱でもあり観光の目玉ともなっている。

まちは、住む人によってつくられていくのである。

http://www.zakzak.co.jp/economy/ecn-news/news/20141127/ecn1411270830006-n1.htm
公害対策で彫刻展50年

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