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2015年2月28日土曜日

こんな卒業祝い、嬉しい


新聞の見出しには「SKR粋な卒業祝い」とあったので、
AKBのようなSKRというアイドルグループがコンサートでもしたのかと思っていた。

ところが、SKRは滋賀県甲賀市の第3セクター「信楽高原鉄道」のことだった。

このSKRが一昨年9月の台風で被害を受けた際に、全面復旧に向けて署名や募金活動に
取り組んでくれた県立信楽高校の全生徒に全線を無料で乗降してもらうというもの。

それも明日3月1日の卒業式に行うということで、なかなか粋なプレゼントだと思う。


信楽高校では全校生徒の7割がSKRを使って通学しているので、
生徒一人ひとりにっとってもなじみがあり、思い出がいっぱいつまった路線である。

全生徒の無料乗降に加えて、卒業生にはクリアファイルとカエルの小物を贈り、卒業を祝う。
高校を卒業すると、地元に残る者、県外へ出て行く者などさまざまだが、
3年間利用した列車とお別れする者も多いことだろう。

台風による不通というアクシデントとはいえ、学校と鉄道会社と地域が一つになって
復旧に力を合わせたという記憶は、生徒たちの記憶に残っていくにちがいない。


バスや船といった交通機関は目新しい利用促進策に知恵をひねるが、
ふだんの利用者への感謝という視点で考えれば、いろんなサービスが生まれるかもしれない。

http://koka-skr.co.jp/
信楽高原鉄道

2015年2月27日金曜日

排泄コミュニケーション


日々コツコツと課題に対して取り組んでいても、いっこうに前に進まず、
なんのためにやっているんだというむなしさと無力感に襲われることがある。

精進が足りない、根性がない、信念がぐらついてはだめなどといわれるが、
目に見えて結果が出てこないことにはマイナス思考に陥らないともかぎらない。

それでも、全国にはコツコツと地道にがんばっている個人や団体が数多くある。


京都府には地域貢献活動に取り組む人を表彰する「京の公共人材大賞」があり、
2月15日に最終選考が行われた。

大賞に選ばれたのは「おむつなし育児研究所 京都サロン」代表の西山由紀さん。
おむつなし研究所は、紙おむつの使用を減らす育児方法を広めている。


紙おむつによってかぶれるとか、頻尿の症状を訴える母親のための講座を開いたり、
おまるの使用法や、乳幼児がおくる排泄サインを察知するための助言を行なっている。


と、ここまで書いて気がついた。研究所は紙おむつよりエコな布おむつにしないさい、
と言っているわけではない。

生後まもない赤ちゃんでも、 大人が手伝ってあげれば、おまるやトイレでおしっこや
うんちができる。だから、小さい時から「おむつの外」で排泄させなさい。

そうすれば、排泄をきっかけとしたコミュニケーションが生まれてくるし、
赤ちゃんが備えている排泄感覚を失わせないい健康的な育て方ができますよということだ。


おしっこやうんちをさせていると、色やにおいを直接ママが見て取れ、
今日はおしっこの色が濃いからどこか不調ではないかと出るものから学ぶことがある。

おむつなしは日本では昔からやっていた子育て法で、
アメリカではElimination Comunication=排泄コミュニケーションと呼ぶのだとか。

http://haisetu-ikuji.jimdo.com/
おむつなし育児研究所

2015年2月25日水曜日

ブルブルという料理


名前を聞いた時は、どこか外国の料理かなと思った。

ところが、「ブルブル」という料理は福島市で10年前に閉店したレストランが、
40年ほど営業していた頃の人気メニューであった。


どんな料理かというと、醤油やペッパーソースで下味をつけて焼いた肉を生レタスの上に
よそおって、オニオンスライスなどを添える、わりとシンプルな料理である。

ひとくち食べると、ピリッとした辛さや美味しさに体がブルブルっと震えたことことから
この名前が付けられたとか。

料理の考案者は福島市新町で1962年に開業したレストラン「ブルドッグ」の
オーナーだった大槌博孝さん。
ブルドッグという店名も料理名に反映されたのかもしれない。


人間には忘れられない味があり、その味に再開した時の喜びは大きい。
大槌さんは2005年に他界されていて、もうブルブルの味に出会う機会はないのだが、
地元商店街のブルブルの味を知る人たちが立ち上がって復活させた。

しかも、ブルブルを地元の洋食店はもちろん和食、喫茶店までいろんなお店で提供し、
いわば懐かしの味で地域おこしをしていこうというアイデアである。


見る懐かしさ、聞く懐かしさ、嗅ぐ懐かしさ、味わう懐かしさ、遊ぶ懐かしさ…
考えてみれば、いろんな懐かしいがあり、こうした多くの人がもつ共通体験で
現代に問いかけるもおもしろい。

http://www.asahi.com/articles/ASH296699H29UGTB00P.html
40年ほど愛された料理ブルブル復活

2015年2月24日火曜日

大事に、大切に、いつまでも


私たちは立っているか、座っているか、寝転んでいるかの三態が基本である。
この三つのうち、どの時間が一番長いのだろうか。

外回りの仕事をしている方は立っている時間、
事務系の人は座っている時間がかなり長いにちがいない。


座り仕事の多くは椅子に座って事務机に向かうわけだが、
椅子の座り心地によって仕事がはかどる場合とそうでないことが多い。

どっしりと安定感のある椅子、しかし座っていれば睡魔が襲ってきそうである。
固くて座り心地は決して良くないが、腰への負担もなく仕事がはかどる椅子もある。


そうした愛用の椅子が古くなった時、今はポイと捨てて買い換える人が多いが、
椅子の張替えという職業に従事していらっしゃる人がいる。

宮城県塩釜市の塩釜神社表参道のそばに椅子の張替えの店がオープンした。
若い職人さんが営むお店で、お客様の要望に細かく応えて椅子を再生してくれる。


口コミで人気が出ていろんな人が修理をお願いに来る。
なかには震災の被害を受け津波でボロボロになった椅子の修理をお願いする人も。

ただ単にモノではなく、喜びや悲しみや苦しみなどがいっぱいつまった椅子は、
使った人の人生そのものでもある。

「椅子には物語がある」若い職人は、そう語りながら、
世界にひとつだけの椅子の再生に汗を流している。

https://www.facebook.com/chairbank
チェア バンク

2015年2月23日月曜日

牛乳でカンパ~イ


酒といえば日本酒だった清酒業界が焼酎などによってどんどんシェアを奪われ、
生産する石高は減り、蔵元の数も少なくなっていった。

清酒の勢いを再びという思いで、いろんなイメージアップや拡販策がとられてきた。
日本での宴会のスタートは、まずビールで乾杯という風潮があるから、
いきなり清酒でもって乾杯といきましょうと条例化する自治体が出てきた。

そうなると破竹の快進撃で清酒を一位の座から引き下ろした焼酎業界も、
いつまで天下が続くかわからないと、これまた焼酎で乾杯を条例化し出した。


アルコール飲料だけかと思っていたら、なんと牛乳を条例化するまちが出現!
北海道の中標津町、茨城県小美玉市がすでに制定し、
栃木県の最北部にある那須塩原市が3月の定例市議会に条例案を提出予定である。

那須塩原は生乳生産高で本州一であることから、さらなる消費拡大を図るために
先の条例を制定したい意向である。


現実的な話にもどし、宴席の乾杯を牛乳でというのはいかがなものだろうか?
牛乳で乾杯すれば幸せが舞い込むとか、絆が強くなるといった物語が欲しいところだ。

もちろん牛乳で乾杯の条例化はあくまで話題作りであり、これを機に様々な催しを行い、
牛乳や乳製品の普及拡大を行っていくのはわかっている。


乾杯すれば、おおいに飲みおおいに語らなければならない。
そうした意味でも、ものごとを目立たせる場合、物語の冒頭にもってくるという手は、
いろんなものに応用できそうである。

http://www.city.nasushiobara.lg.jp/195/204/000960.html
那須塩原市牛乳消費拡大PRキャラクター誕生

2015年2月21日土曜日

400年以上続く大館のアメッコ市


真っ白な白銀の世界に、桃の花と見まがうようなピンクの飴が木の枝にぶら下がっている。
そして、通りには飴を売る出店などが並んで、祭り気分を盛り上げてくれる。

これは秋田県大館市に伝わる「アメッコ市」で400年以上の歴史をもっている。
大館市は渋谷の忠犬ハチ公のふるさととも言われ、おおまちハチ公通りで開催される。


なぜアメッコなのかというと、1月1日~7日の大正月は男性がお酒を飲み、
1月15日の小正月(女の正月ともいわれる))に女性が甘いもの(飴を付けた餅)を食べる
という地域の農家の風習が南部から秋田の大館に伝わったといわれている。

たしかに、小正月には鹿児島でもメノモチといって、エノキや柳の木の枝に餅を飾り、
一年の無病息災と五穀豊穣を祈る風習がある。


アメッコ市は、さらに昭和に入って新しく作られた「飴っこおこう」という物語が加わった。
気立ての優しい働き者の「おこう」が、白髭大神に病気の母親を助けられたことから、
自身も病に倒れる人々の為に、特効薬の飴を作り上げるというストーリーである。

この物語から白髭大神とアメッコおこうの巡行というアトラクションが加わり、
先ほど紹介したハチ公ならぬ秋田犬とのふれあいやパレードなどもある。


白髭大神が山から下りて来てアメを買い求め、帰る際にその足跡を隠すため
吹雪を起こすと言い伝えられている。

その言い伝えのとおり、不思議とアメッコ市の期間中は雪が降ることが多いとか。
今年は先週の土日に開催されたのが、天気はどうっだったのか。

http://www.city.odate.akita.jp/dcity/sitemanager.nsf/doc/amekkoichi.html
大館アメッコ市

2015年2月20日金曜日

ああ、なつかしの富山の薬売り


小さい頃、年に何回か家を訪ねてくる富山の薬売りのおじさんが楽しみだった。

赤い置き薬の箱の中味をを手際よく調べては、不足している薬を補充し、
家族としばし歓談し、帰り際にプラスティックでできたコマや紙風船をくれた。


越中富山の薬売り、と言われても九州の片田舎では、越中がどのへんにあるのか
まるで見当がつかなかった。

長じてマーケティングの本などを読んでいる時に、富山の薬売り、
とりわけ置き薬という手法を絶賛している記事に何度かお目にかかったことがある。

使ったぶんだけの料金をいただく、使ったぶんを補充していく「先用後利」という仕組みだ。
江戸時代から始まった富山の薬売りは1961年頃は1万人以上いたという。
それが減少の一途をたどり、2013年は957人になってしまった。


ドラッグストアが増えたり、コンビニやネットでも薬が買えるようになり、
訪問するお宅も夫婦共働きで不在が多いなど効率面でも悪くなる一方である。

それでも、命を守る仕事という使命感、代々築いてきた人と人との絆を守りたい、
などなどを誇りとしてがんばっている人たちもいる。


越中富山の赤い薬箱、実家をさがしても見つからないかもしれない。
赤チンキ、ケロリン、正露丸、ピラなど薬の名前を聞いただけでもなつかしい。

http://www.jienology.com/toyama1.html
富山の薬売りに学ぶ事業スピリット

2015年2月19日木曜日

史上最強、没後も人気!


ベンツ、といえばドイツの高級車を思い浮かべる人も多いことだろう。

車ではなく、大分県高崎山のボス猿だったベンツは昨年1月に死亡宣告を受け、
1年後の2月11日、高崎山自然動物公園ではベンツを偲ぶイベントが開催された。

その名も「DAY OF THE LEGEND」。
死亡推定年齢が36歳で、人間で言えば100歳超えの超レジェンドである。


ベンツは1987年、9歳の時にB群のボス猿に就任した。
ところが、就任して3年目にC群のリズという年増のメス猿に一目惚れし、
B群のボスの座を投げ打ってゾロ率いるC群の一兵卒となってしまう。

しかし、リズには愛想をつかされ、冷遇されてベンツは不遇な日々を送るのだが、
持ち前の度胸の良さと腕っ節の強さでのし上がり、とうとうC群のボスjとして君臨する。


まるで任侠映画のようなベンツの波瀾万丈の道のりであり、
それだけにベンツの生き様に惚れ、世を去って一年過ぎた今も心を寄せる人も多い。

サッカーの三浦知良選手やスキーの葛西紀明選手のように、
レジェンドの名にふさわしい生き方を続けている人は脚光を浴びても奢らない。

あえてくくるなら、まっすぐに、ひたむきに、ひたすらに…ということなのだろうか。

http://matome.naver.jp/odai/2138071542895520901
高崎山史上最強100歳のボスザル

2015年2月18日水曜日

もったいないから使い切る



ホテルでのパーティの後の食べ散らかした光景は、だれもが目をそむけたくなるけど、
じゃあ、みなさん残ったものはご飯ひと粒といえどお持ち帰りください、なんて言えない。

本当は持ち帰ることが社会にとっていいことなのに、パーティという晴れの場で、
食べ残しを持ち帰るなんて!というよそ行きのポーズをとってしまうのだろう。


それにしても、こうした「もったいない」をなんとかできないものか。

農業の現場では、規格に合わない、色が悪いなどの理由で市場に出荷できなかった
農産物を集めて、生活に困っている人たちに無料で提供しているところがある。

青森県平川市のNPO法人「ふるさとの会」は今月4日に平川市社会福祉協議会へ
約30kgの玄米とキャベツ8玉をおくった。

届いた食材は社協を通して、一人暮らしの高齢者や食糧に不自由している人へ渡され、
いわゆる青森流フードバンクの活動が定着しつつある。


市場に出荷できない農産品や魚介類を使って調理するテレビ番組「鉄腕ダッシュ」の中の
0円食堂なども、もったいないを使い切る試みだが、
番組は番組として、一般人が0円食堂を始めようとすると容易ではない。


冒頭書いた宴会後の食べ残しの持ち帰りの方は、持ち帰るのがマナーですみたいな
流れになってきて、フードバンク●●ホテル支部というものができればいいのかもしれない。

http://2hj.org/problem/foodbank/
フードバンクとは

2015年2月17日火曜日

旬の人を使わない手はない


男子テニスツアーのメンフィス・オープン、シングルス決勝で錦織圭選手が優勝、
大会史上初の3連覇を達成した。

昨年の全米オープン準優勝、今年の全豪でベスト8に入った錦織選手の
活躍はめざましく、初の4大メジャー制覇に期待がかかる。


テニス教室の会員が増えたり、ラケットやウェアなどの売上げがアップしたり、
錦織効果は相当なものがあるが、彼の出身地島根でも熱い風が吹いている。

かつて錦織選手が練習したコートはじめゆかりの地をめぐるツアー商品の企画、
松江をテニスのまちにという掛け声のもとにテニス教室開催、
日本テニス協会が行っているジュニか世代や指導者の合宿誘致などなど。


雲南市にある加茂中央公園にはテニスコートが3面あるが、
錦織選手が練習に使っていたコートを「Kコート」と名付けた。

おもしろいことに、そのコートで練習した後に幼かった錦織選手が忘れていった
という名前入りのテニスラケットも展示してあるとか。

いくら幼かったとはいえ、ラケットを忘れたら必死で探すだろうに、
それでも見つからなかったのだろうか。

そんな詮索はともかく、地元出身の旬な人を地域おこしにということだが、
一過性のものにしないための掘り下げも忘れないようにしたい。

http://www.sankei.com/west/news/150119/wst1501190001-n1.html
錦織ブームに乗れ! 日本で“最も目立たない県”の思惑…

2015年2月16日月曜日

表はもちろん、裏を知りたい


美術館、博物館、動物園、水族館といったものは公共の施設が多い。
それだけに、どちらかというと画一的で展示はオーソドックス、開館時間も規定通り。

しかし、ひとりでも多く施設にお客様をお迎えしたいということで展示方法を変えたり、
さまざまなアトラクションを催したり、昼間だけではなく夜間見学を取り入れたりしている。
お客様からの要望があったり、全国巡回的な催し物もある。


だれよりも展示施設や展示物に詳しいのは、学芸員さんや施設の職員さんである。
そうした人たちがお客様目線になった時、新たな試みが生まれてくる。

たとえば、お客様が下から見上げている大水槽を上からのぞきこんではどうか?
といった、ちょっとした気づきが新しい試みに変わっていく。

「関係者以外立入禁止」などと書かれている部屋こそ入りたいと思う人も少なくあるまい。
本当に危険な部屋であれば立入禁止だろうが、意外と「どーってことない」部屋もあるのでは…

また、絵画の修復や復元作業などは、実際の作業を一度は見てみたい。
そんなプロにとってはあたりまえを、できる範囲でどんどん公開していけば楽しさも倍増する。


秋田県男鹿市にある男鹿水族館「GAO」では冬季限定の「魚っ知ツアー」を開催していて、
水族館の裏側を紹介して人気を集めているという。

http://www.gao-aqua.jp/
男鹿水族館GAO

2015年2月14日土曜日

からくれなゐに水くくるとは


奈良県の生駒山を源流とする竜田川は百人一首にも登場する。
 ちはやぶる神世も聞かず竜田川 からくれなゐに水くくるとは
という在原業平の歌で有名である。

この竜田川流域の生駒市と斑鳩町が、川ではなく、
ご当地料理の「竜田揚げ」に注目し、まちおこしの目玉にしようと活気づいている。


竜田揚げは、鶏肉や魚肉などを片栗粉にまぶして揚げた料理である。
肉の赤い色が秋を彩るモミジに、片栗粉の白は竜田川の流れに見立てられた
という風流な説が伝わっている。

そう言われれば、名前も味も香りもどこか気品を感じられ、思いは古都へ飛ぶ。


生駒市の観光協会では「市たつた揚げプロジェクト実行委員会」が立ち上がり、
いろんな企画を練っているところである。

斑鳩町の方でも若手経営者が竜田揚げに注目し、町内で竜田揚げを提供できるお店を、
現在の13店舗から30店舗に増やす予定だとか。
法隆寺近くのカフェでも竜田揚げランチを出し、人気を集めつつある。


明治の俳句の隆盛に力を尽くした正岡子規は、柿食へば鐘がなるなり法隆寺と詠んだが、
平成の歌人たちは、柿を竜田揚げに変えて秀句をのこすのであろうか?

http://www3.pref.nara.jp/miryoku/megurunara/item/8313.htm
斑鳩町 竜田揚げ

2015年2月13日金曜日

共に助け合う


南国に生まれ育ったので、北国の人たちの冬の苦労を知らない。

今年は何度も寒波が襲い、雪で真っ白になった映像をよく目にするが、
寒そうと身をすくめ、家から出られなくて生活も大変だろうと思ってしまう。


寒さや雪との闘いがあり、とりわけ雪は屋根に積もり、放っておけば家屋を押しつぶす。
そこで、雪下ろしという作業をするわけだが、これがどんだけ重労働なのか
実際にやった人でないとわからない。

まず、積もった雪をスコップで30cm角くらいの大きさに切ってから、
スコップに乗せて放り投げるのだが、この距離がおよそ5mほど。
(実際の映像を見ると、雪下ろし専用の一輪車のような大きなショベルを使っていて、
 50~70cm角くらいの雪のかたまりである。下記のURL参照)

30cm角の雪の重さは5kg程度で、こいつを1000回以上投げないといけないそうだ。
2階に積もった雪の場合は、1階の屋根に落とすと痛むので、さらに距離が必要となる。

これを、降雪がひどい日は毎日か一日おきかにやらないといけないわけだら、
体力に自信がある人がいないことにはなかなか大変である。


秋田県横手市では2012年に「『共助組織』代表者ネットワーク会議」が結成され、
上記の雪下ろし作業や買い物の支援を行っている。

同会議は4つの地域の住民が共助組織を結成して地域を自ら守ろうという
活動を行ってきたが、このたび総務省の「ふるさと大賞」を受賞した。


イタリア・トスカーナ地方のことわざに、
「誰もが、広場で暮らせるとは限らないが、
 太陽の光はあらゆる人々の上に平等に降り注ぐ」というのがある。

太陽の光を雪におきかえるなら、雪はあらゆる人々の家に平等にふりそそぎ、
だれもがその雪の下で不自由なくで暮らしていくためには、いろんな人の力が必要である。

ということになろうか?

https://www.youtube.com/watch?v=1AQnOFU60QE
南郷共助組合の雪下ろし2014.1.15

2015年2月12日木曜日

美景を歌に

歌を聞いていると、風景や情景が浮かんでくることがある。
そうやって刷り込まれた記憶はずっと心に残り、歌を聞くたびによみがえってくる。

懐メロと呼ばれるものは、メロディもしかりだが、歌詞の中のワンシーンやドラマが
喚起されることが多いような気がする。


石川県輪島市のアマチュアバンド「ノンポリシー」は『あぜのきらめき』という
ゆっくりとしたテンポの曲を作ってCDとしてリリースした。

国の名勝である白米の千枚田は棚田であり、幻想的な姿を見せてくれる。
その魅惑的なシーンを多くの人に伝えようと曲にしたのである。

ノンポリシーはロックバンドで、どちらかというとクラシック音楽が似合いそうな
千枚田の風景を、なんとか自分たちの音楽で創造していった。

なるべく自然の音が聞こえるよう、大地を這うような音を意識したというが、
いろいろ難儀したにちがいない。


風光明媚な地域の魅力的なスポットを無機的な印刷物だけではなく、
音や映像といったメディアで伝える試みはもっと広がってもいいように思う。

五感をフルに使って覚えた感動は、ずっと憶えているし、きっと忘れない。

https://www.facebook.com/nonpolicy
ノンポリシー

2015年2月10日火曜日

果てと果て

日本列島は南北2000kmと縦に長い。亜寒帯から亜熱帯まで気候もさまざまである。
本土で言えば、北の端は北海道、南の端は鹿児島県である。

鹿児島で暮らしていて、たまに札幌ナンバーや函館ナンバーの車を見ると、
お~、わざわざこんな遠くまで、よくぞおいでなさったと拍手をあげたい気分になる。

物産展なども、鹿児島の百貨店で開催される北海道物産展は毎回大人気である。
北海道でも鹿児島物産展が行われているのであろうが、その評価は知らない。

そうした果てと果て、つまり端っこどうしはなにがしか親しいものを感じてしまう。


北海道にライターでありイラストレイターでもある舘浦あざらしという人がいて、
彼は「北海道いい旅研究室」なる雑誌を不定期に刊行し、
そのユニークな視点と切り口で、次号を楽しみに待つ人も多い。

あざらし氏のフィールドは、なにも北海道だけにとどまらない。

なんと沖縄県、鹿児島県の島々について、自らの体験をもとに北海道人の目線で
編集・執筆したユニークな旅のガイド本を出している。

白一色の雪景色の中で育ったあざらし氏の目に、コバルトブルーの海に
容赦なく差し込んでくる亜熱帯の灼熱の光はどのように映るのであろうか。

このように、真逆の環境にいる人が見たもの、聞いたもの、味わったもの、感じたもの…
そうしたものを細かに見ていけば、これまで気づかなかった観光のお宝が見えるかも?

http://d.hatena.ne.jp/kitanodaichi/20050206?_ga=1.129656072.544586922.1418720625
『北海道いい旅研究室』♪

2015年2月9日月曜日

漫画力を地域力に

難解な内容の本や、文字だけではわかりずらいマニュアルなどは、
できるだけイラストや写真などのビジュアルを入れてあげることでわかりやすくなる。

さらに漫画、しかもストーリー仕立てにすると、物語が楽しめるとともに、
本の内容も理解できるという一挙両得的な喜びもある。


観光ガイドブック等は県外客のために名所や旧跡など観光スポットを紹介しているが、
当地に住んでいる人が手にとって、「へえ~、そうだったんだ」と感心することがある。

地元の人が知らない歴史や観光地、それに豆知識を加えた子ども向けの学習本を
自治体が漫画にしたという記事が紹介されていた。


東京の北の埼玉県で、当県は2010年の調査で、自県への愛着度が最低だったとか。
もっと郷土愛をもってもらおう、そのためには県の魅力を知ってもらわなくては…
という思いが今回の漫画制作につながったようだ。

県内の全小学校や図書館に配られる漫画は、転校してきたサッカー少年が、
クラスメートと埼玉の魅力について調べていくストーリーになっているとか。


中味を読んでいないのなんとも言えないが、この手の学習本は総花的になりやすく、
ストーリーよりコンテンツ重視になりがちである。

あれもこれもと詰め込むと、せっかく漫画にした価値が半減してしまうことがある。
漫画は作り方もだが、どのように見せていくか、楽しませていくかも大事である。

http://jyuunintoiro634.blog.fc2.com/blog-entry-1232.html
「埼玉県のひみつ」 -漫画で埼玉を紹介-

2015年2月7日土曜日

W・R・S・B

ダブリュー アール エス ビー…
一度聞いて、これが人類を食べてしまう謎の生物だとわかった方は、かなりの映像通。

ダブリュー アール エス ビーちゅうのは、ワラスボのこったい。
有明海に棲んどって見た目は悪かばってん、味はなかなか良かもんの~
としっかりコメントできる人は、佐賀県の人か、よほどの佐賀通である。


見た目がエイリアンのようなワラスボを初めてみたクリエイター三寺雅人さんは閃いた。
有明海の謎の生物「W・R・S・B」でもって、佐賀市から世界を驚愕させる!

そして佐賀市の奇抜なプロモーションムービー「W・R・S・B」 が生まれた。
内容をとやかく言う前に、まずは一度ごらんいただきたい。


かつて、佐賀県ははなわ氏が歌った「エスエージーエーSAGA」というフレーズでブレイクした。
今回はダブリュー アール エス ビーなる四文字アルファベットでアッと言わせようという魂胆。

有明海に生息するいわばノーテンキな一匹の生きものが謎の生命体となり、
人類と危険過ぎる遭遇を経てどう変貌していくのか?

わずか2分半ほどのムービーに思わず身を乗り出し、続編に期待を寄せてしまった。


地域おこしには地味なコツコツ型があり、一発大逆転を狙ったイメージ戦略タイプもある。
いずれにしろ産みの苦しみはあるもので、先々地域のためになるのかという不安もつきまとう。

そうした中で、共感と賛同を得ながら、地域全体が楽しみながら取り組むことができるか。
このあたりが、わりと大きなポイントになるような気がする。

http://wrsb.saga-city.jp/
WARASUBO

2015年2月6日金曜日

だれでも、いつからでも

生活が困窮すると、学問に励みたくても学校へ行けない、教育が受けられない。
教育を受けていないと就職の大きなハンデとなり、低収入の仕事しかまわらない。

日本の子どもの貧困率も年々上がっていて、
教育と貧困の問題はいろんなところで論じられ、解消のための試みも多くなってきた。


こちらは貧困解消とはやや趣が異なるが、だれでも、いつからでも学べる寺子屋がある。
山口県防府市小野地区にある光明寺というお寺で開かれている寺子屋だ。

学びたいと思ったら、寺の門をたたけばいい。年齢も性別も問わない。
地域貢献が目的の非営利活動で、問題集の代金などを除く参加費は光熱費の1回100円。

現在、塾生は幼児から成人まで24人で、週に一回集まって漢検向けの勉強を行っている。
教える側は元校長などのボランティアで、勉強方法などを教えている。


そもそも寺子屋とは江戸時代にできた庶民の初等教育機関で、村役人・神職・僧侶・裕福な
町人などによって経営され、読み・書き・そろばんなどの教育を行い、道徳を教えたとされる。
天保時代から急増し、江戸幕末期には全国で15,000以上も存在したといわれる。

防府市の小野の寺子屋には父子で学んでいる塾生もいて、
ふだん親子で机を並べて勉強するなんてほとんど機会がないので新鮮に感じるみたいだ。

地域にもコミュニティセンターのような人が集う施設がたくさんあり、
こうしたスペースの有効活用も含めて、地域に寺子屋がどんどん増えていって欲しいものだ。

http://www.yomiuri.co.jp/local/yamaguchi/news/20150130-OYTNT50494.html
誰でも学べる寺子屋

2015年2月5日木曜日

輝く頭で笑いを取る

あまり世間に公表したくないことでも、おおっぴらにやってしまうと笑いの渦につつまれる。
秋田県横手市雄物川町には、地元有志でつくる「雄物川光頭会」がある。

光頭会とは読んで字のごとく、頭が薄くなって輝きを放っている方々の会である。
1991年に結成され、最盛期には40人ほどの会員がいたという。

しかし、高齢化の波にあらがいがたく、現在会員は6名となってしまった。
この会の名物イベントは頭の輝きや色つやを競う光頭相撲、
そして、ひものついた吸盤をお互いの頭に付けて引き合う吸盤綱引きである。

相撲だけに行司さんがいて、軍配がかえると両者が渾身の力で引き合う。
吸引力の弱い人の吸盤が飛んでしまうと勝負ありである。
吸盤が飛ぶ際に「ポン」という音が場内にこだまし、観客はやんやの喝采となる。

今年もなんとか本場所開催にこぎつけたものの、力士が3人、
会場での飛び入りを加えて4人の闘いになったという。


「沈みがちな社会に私たちの光頭で笑顔を」というのがl発足時のスローガンである。
イスラム国の非道な人質殺害や女子大生の殺人事件など、
国内外で耳を塞ぎたくなるようなできごとばかり続くが、
なんとか明るい社会になって欲しいと光頭相撲にたくした人もいるのではないだろうか。

人の顔から笑いが消える、社会から笑いが消えてしまえば、
経済がいかに繁栄しようと、暮らしにくい世の中になることはまちがいない。

http://matome.naver.jp/odai/2136175529193650601
ハゲハゲしい団体『光頭会』がおもしろい

2015年2月3日火曜日

まちこわし大賞

まちおこしやむらおこしに対して貢献のあった団体に賞が与えられることは知っていたが、
その逆であるまちこわしにも、賞状が用意されているとは驚きだった。

福岡市の市民団体「福岡・住環境を守る会」は、美しい景観などをいちじるしく壊してしまう
建築物に対して、痛烈な皮肉を込めて表彰している。

「まちこわし大賞」と呼ばれ、先日第7回目の大賞が発表された。
看板の部の大賞となったのは、福岡空港を取り囲む看板群であった。

選考理由として福岡県や福岡市が「アジアの玄関口」を標榜しているにもかかわらず、
行政は空港周辺の大型看板を何ら規制せず、「看板が取り囲む空港の風景は異常」。

建築の部の大賞は、福岡城を取り囲むビル群に決まった。


当然、まちこわし大賞の選考には次のような基準がある。
  ・ 自然や緑を破壊する行為
  ・ 史跡や歴史的建築物を破壊する行為
  ・ 安全安心を破壊する行為
  ・ 景観や眺望を破壊する行為
  ・ 地域コミュ二ティーを破壊する行為
  ・その他、法律や条例などこれらの破壊行為を許すもの

公共の建物だろうが民間の建物だろうがおかまいなしであり、
完成したものだけではなく、工事中や計画中のものも対象となる。


ヨーロッパの街並みなどは外観のド派手な建物や看板類が極めて少なく、
行ってみたくなる、暮らしてみたくなる景観を保っている。

ところが、日本は都市景観に関して法整備が行き届いていないのか、
不調和、無秩序、醜悪な状態のまま建築物が野放図になっていることが多い。

http://www.fukuzyu.net/
福岡・住環境を守る会

2015年2月2日月曜日

駆け込んで、いやし。

世の中にはいろんなカフェがあるが、代官山という東京でも感度の高い街には
寺カフェなるものがオープンしている。

寺カフェは現代の駆け込み寺とホームプページに記されているが、
お悩み相談だけではなく、写経、数珠作り、仏教雑学を学ぶなどいろんなメニューがある。


島根県の松江市内にもこのほど「松江お坊さんカフェ」なるものがオープンした。
こちらは松江歴史館で月1回開かれていて、お坊さんの細やかな接遇が人気を呼んでいる。

お坊さんは曹洞宗、日蓮宗、浄土真宗本願寺派の三派が宗派を超えて協力し、
座禅を組んだり、お茶や和菓子でお話を楽しむカフェタイムなどがある。

お寺さんやお宮さんというと、特別なことがないとそうそう行く機会がないし、
お坊さんや神主さんはなんとなく寄り付き難いイメージがある。

仏や神様につかえる人という固定観念が強く、何を話しかけていいのかわからない。
ところが、いざ接してみると、いろんな生の声が聞け、距離がぐ~んと縮まっていく。


手を合わすとか念仏を唱えるとかしなくても、
ふだんの暮らしの中で敬う心や感謝する心はだれにだってある。
そうした人間的なものを共有する場としてもお坊さんカフェの存在は大きい。

エステやネイルサロンで外見を磨いて、お坊さんカフェでこころを磨く。
磨くという表現より、こころをいやすといった感覚なのだろうか。

現在自分がいる立ち位置から大きくジャンプしてカフェという聖域へ駆け込んでいく。
その聖域の中に、ある人は寺なるものを望んだり、ペットのいる世界を望んだり…

いやしとは、駆け込まなければ得られないものなのかもしれない。

http://www.yomiuri.co.jp/local/shimane/news/20150125-OYTNT50012.html
松江お坊さんカフェ