「蚕種製造」…初めて聞く言葉で、何のことだろうと思った。
蚕に関するものだということはわかるが、要は蚕の卵をつくる仕事なのだ。
牛や豚と同じように、蚕もすぐれた親からすぐれた特徴をもった子が生まれる。
すぐれたとは、質のいい生糸を吐いてくれるといったことであろう。
一般に飼育されている蚕は普通蚕と呼ばれ、生糸を生産するだけ。
それに対して原蚕というのがいて、これは普通蚕の親になる蚕だ。
この原蚕を交配することによって、すぐれた特徴が普通蚕に遺伝していく。
こうした原蚕を飼育し、卵を産ませ、その卵が伝染病などをもっていないか検査し、
もっていなければ孵化させ、規格に合わせて出荷していく。
蚕種製造では蚕の品種改良、それに蛾の卵を生みつけた和紙(蚕種紙)を製造し
養蚕農家へ販売していた。
京都の丹後半島では、戦前まで多くの養蚕農家があったが、
蚕種の仕入れの経路についてはほとんどわかっていない。
このたび丹後地方出身の女性が、曽祖父が営んでいた蚕種製造業の看板を
宮津市の府立丹後郷土資料館へ寄贈することを決めた。
資料館側も蚕種製造の歴史などが明らかになればと期待する。
http://www.kougensha.com/project/production/
蚕種製造の工程
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