蒔いた種が鳥に食べられたり、せっかく育った農産物が鹿や猪の餌食になったり、
鳥獣被害はあちこちで聞く。
鳥獣被害から守るために防護ネットを張ったり、ハンターを動員して
捕獲や駆除をしたりするが、最近はハンターの数も少なくなったと聞く。
そうした狩猟によって捕獲した鹿や猪などを中国に輸出できないか。
そんな相談が日中間のコンサルティングをしていた河野広介氏の
ところへ寄せられた。
さっそく河野氏は国内の狩猟肉の現状を知るべく調査を始めた。
そもそも鹿肉や猪肉 は他の畜産肉と異なり流通経路が整備されておらず、
処理しても売れないという現状があった。
とりわけ民間の処理施設は家族経営で規模の小さいところが多く、
都市圏への出荷や外国への輸出はむずかしいことがわかった。
そこで河野さんは、その小規模な処理施設を束ねて、
供給量を安定化させるためにさばき方・解体処理の方法・商品の規格を統一した。
そして加工・出荷体制を整えると、卸先である全国の飲食店へと売り込みをかけ
流通を確保していった。
流通量がどんどん増えていき、今は河野さんが拠点を置く大分県では間に合わず、
狩猟範囲を九州全域へ広げようと奮闘中である。
いわゆる狩獣肉流通の流れの川上(猟師・加工場)から川下(卸・飲食店)までの
すべてを調整して、一つの商流をつくり上げていこうという仕事である。
河野さんは教師だった親の影響もあり、
「仕事はお金をもらうためだけにするのではなく『義』のためにするするものだ」と
考えている。「義」とは打算や損得のない人間としての正しい道のことである。
http://mainichi.jp/area/oita/news/20150101ddlk44040164000c.html
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